musashiman’s book review

一般の話題本や漫画を紹介しています。

Book.「Yahoo!ビッグデータで分かった日本の新事実『ビッグデータ探偵団』」

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ビッグデータ探偵団」
安宅和人、池宮伸次、Yahoo!ビッグデータレポートチーム)

Over view  ビッグデータという言葉を知っている人は多いと思います。でも、このデータがどのような方法で活用され、何が分かるのかを知っている人は少ないではないでしょうか。「ビッグデータ探偵団」(安宅和人、池宮伸次、Yahoo!ビッグデータレポートチーム著 講談社)は、ビッグデータがこれからのビジネスを考える上で、また、私たちの生活をより快適なものにするために役立つのかを、ヤフーの「マルチビッグデータ」をもとにレポートしています。 
 
 ヤフーがこれまで展開してきたサービスは検索や地図、ニュース、ショッピングなどサービスは100種類に及びますが、ビッグデータレポートの第一弾になったのが選挙予測です。2013年の参議院選挙の議員獲得数では的中率96%という高い数値となりました。
 以降、「景気判断」、「妊娠、出産を控えた女性の悩みを解決するもの」「熊本地震のデータから作成した災害対策を目的とするもの」「都道府県別の交通利便性の把握の未来の混雑情報の予測を目指すもの」「日本音楽の歌詞の特徴」など公開してきたレポートは多岐に渡っています。
 

本書ではビッグデータが本来の価値を発揮するためには、生身の人間の力が不可欠だとしながら、ビッグデータはコンピュータやAIの活用なしには作成できないが、あくまで最終的に必要となるのは、生身の人間の感じる力や決める力、そして伝える力だと強調。データを分析し、意思決定に役立てていく「データ・ドリブン」の思考力、分析力、情報科学の基本、データの力を解き放つ力を会得し、応用できる人がこれからの社会を生き抜いていけるとしています。
 著者の安宅和人さんは慶応義塾大学環境情報学部教授、ヤフーCSO(最高サステナビリティ責任者)でYahoo!ビッグデータレポート統轄、池宮伸次さんはYahoo!ビッグデータレポート編集長を務めています。Yahoo!データやオールカラーの図版をふんだんに使用し、タイトル付けなども工夫されていますので、とても読みやすい内容となっています。

 

役立つビッグデータ

「第1部ビッグデータは深層を描き出す」では「新社会人の心情」「育児をする女性の悩み」「頭が痛い日本人が多い時刻」などを検索データをもとに公開。「育児をする女性の悩みや思い」などについて分析した「ママは、生後102日目にわが子をモデルへ応募したくなる」では、女性が子供を出産したあとで、夫へのイライラが最も気になるのは生後45日目頃、子供の指しゃぶりが気になるのは生後56日目頃、そして、ママがわが子をモデルへ応募したくなるのが102日目頃だと分析しています。これら育児に関する悩みやニーズをカテゴリごとに分類したのが「育児キーワード群のカテゴリーツリーマップ」です。

育児キーワード群のカテゴリーマップ(資料 Yahoo!検索)


 
 「第2部 ビッグデータはこんなに役立つ」では、「これからの交通混雑ぶりがわかる」「救援活動をスムーズに進める、隠れ避難所を探せ!」「今の景気を予測することは、どこまで可能か?」などで構成。「救援活動をスムーズに進める、隠れ避難所を探せ!」では、2016年4月に発生した熊本地震で誰がどこに避難しているのかが分からず、救援物資を受けられないという混乱が生じたという課題に対して、ヤフーの「位置情報」データを活用し問題解決に取り組んだことを、豊富なデータをもとに説明しています。
 

Comment ブログ筆者

ユーザーの買い物データを企業がマーケティングに活用しているという話はよく聞きますが、気象情報や世の中の出来事(ニュース)、自分が関心のある物事や場所、ショッピングについて、日ごろからインターネット上で検索して確認することがあたり前になった現在、これら多くの情報がどのように作成されアップされているかを理解できる人は、一般ネットユーザーでもそう多くはないと思います。ネット関連の仕事に就いている人か専門家でなければ、なかなかそこまでは分かりません(他の業種でも同じことが言えます)。
 

話題のビッグデータがどのように活用されているかも同じです。AIの登場でビッグデータがさまざまに活用されているとは聞きますが、さて具体的にどう分析されネットでデータとして活用されているか、その裏側を知る人は少ないのではないでしょうか。
 
災害などの緊急事態にも貴重な情報提供
 本書では検索エンジン大手のYahoo!ビッグデータ活用事例と作成過程を、作成に関わる人々のエピソードも交えながらレポートしています。作成には時間のかかるものも多いですが、ユーザーが一瞬にして、状況を把握できるというのが魅力です。
 

やはり、災害などの緊急事態での活用が注目されますが、16年に発生した熊野地震で「隠れ避難民」がどこにいるかを確認できたことの功績は大きいですね。今年に発生した台風15号では被害を受けた千葉県で停電が発生したため、せっかく届けられた救援物資が、住人に届けられなかったようですが、停電さえ長引かなければ、この問題も解決できたのではないかと思います。
 生活に身近な情報から、政治経済、文化まで多くの情報をもとにアップされるビッグデータの見方が分かる一冊です。

関連本

Book.マラソン日本記録保持者 大迫傑の思考法「走って、悩んで、見つけたこと」

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「走って、悩んで、見つけたこと。」( 大迫傑著、 文藝春秋

Overview
 2018年10月にアメリカで行われたシカゴマラソンで、2時間5分50秒でゴールした大迫傑選手はレースでは3位でしたが、その時点でマラソン男子日本新記録保持者となりました。以降、現在(19年9月23日)まで記録は破られていません。
 9月15日に東京で開催された「マラソングランドチャンピオンシップ」(MGC)では、レース37キロ以降に中村匠吾選手、服部勇馬選手とデッドヒートを繰り返し、2位の服部選手と5秒差で3位入賞。20年東京オリンピック代表選手の内定決定は先送りとなりましたが、今後のレースが期待される白熱したレース内容でした。

 

現在も来年に東京で開催されるオリンピックのマラソン代表の3人目に一番近くにいるのは、大迫選手です。 その大迫選手がマラソンについて書いたのが、「走って、悩んで、見つけたこと」(文藝春秋)です。大迫選手は早稲田大学時代は箱根駅伝に4回出場し、11年と12年の2年間には区間賞を受賞。その後は箱根駅伝MGCでも競った設楽悠太選手と同じように実業団に入り走り始めますが、翌年には渡米しナイキ・オレゴン・プロジェクトに所属しトレーニングを重ねるようになります。
 
 今回のMGCでも見せた一見、無表情とも思える表情は駅伝選手時代と変わりませんが、白い帽子の下に隠れた丸坊主頭には、レースに向けた勝負への並々ならぬ覚悟を感じました。なぜ、大迫選手はマラソンランナーとして日本記録保持者へと登りつめ、今、オリンピック代表選手候補として注目されるまでになったのか、プロランナー・大迫選手のランナーとしての生きざまや考え方を知ることができます。(以下、一部を紹介。本書では写真も数多く使用しています)

「きつい」のはどこか

大迫選手にとって「マラソンを走るということ」とはどんなことでしょうか。
トラック競技はフィジカルが80%、それがマラソンは60%、メンタルが40%の比率になります。だからメンタルに関してのトレーニングはできるだけやっています。
 
 練習で「きつい」と感じることがありますが、「きつい」という感覚は主観的なもので、「今きついのはどこ?」と問いかけると、身体全体が「きつい」わけではないことに気づきます。大切なのは常にポジティブで平常心であること。初マラソンボストンマラソンでは、そういうレースができて、結果を残せたのです。
 
 それでもレースによっては辛い、やめたいと思ってしまうこともあります。そういうときは「練習でも勝ってきたし、これだけ走れたのだから残りも大丈夫」などとポジティブな方へと意識を持っていくようにしています。(本書から抜粋し構成しています)

辛い時期を耐えれるか

なぜ、大迫選手はここまで強いランナーに成長したのでしょうか。
 走りがいい選手はいくらでもいます。最低限の走るセンスは必要かも知れませんが、それ以上に大事なのは生き残る力だと思います。どういう選手が生き残れる強さを持っているのか。それは一概には言えませんが、辛い時期をいかに我慢できるかということは すごく大事です。
 
 どんなに環境が変わっても、順応するまでには単純に耐えるしかありません。一番辛いところを2か月で乗り越える人もいれば、1年かかる人もいます。そこまで我慢できるか、できないかの違いです。環境が変われば孤独感は強まるし、この先どうやっていけばいいのかという不安もあります。だけどやることさえやって耐えていれば、いずれは絶対に慣れます。高校時代はすごくきつかったですけど、強くなるには耐えて、ひたすら練習するしかないと思っていました。(本書から抜粋し構成しています)


 

Commentブログ筆者

 MGCで見た大迫選手の珍しい姿

今回のMGCに出場する寸前の大迫選手を見たとき、髪の毛を丸坊主にした修行僧のような風貌に並々ならぬ、レースに賭ける覚悟を感じました。その7か月前の東京マラソンは途中棄権となったがゆえに、このレースへの意気込みは他選手以上にあったのではないでしょうか。
 
 もちろん、MGCでは2位に入賞すれば東京オリンピック出場に内定が決まります。そのような意味では出場選手30人の全員が同じような気持ちで出場していたのです。しかし、勝負は明暗を分けます。37キロ以降に大迫選手は中村匠吾選手や服部勇馬選手とデッドヒートを繰り返し、40キロ以降、ゴールが近づくにつれ3位についた大迫選手は何度か後方を振り返りました。4位の選手がどこにいるかが気になったのでしょう。
 
 大迫選手の珍しい姿でした。それ程に「きつい」レースだったのです。本書でも触れていますが常に「足が壊れたら」次にどうするかを考えなければいけないということも、いかに練習がハードかレースが全てを賭けたものであるかを知ることができるのです。
 
クールな表情の影にある何か
 テレビの放送中に笑顔を見せマラソンのイメージを大きく変えた高橋尚子選手とは違って、大迫選手はあまり顔を見せる選手ではありません。しかし、大迫選手にはこれまでの男子マラソン選手には、あまり感じることのなかったかスターとしての華を感じるのです。それは二枚目の日本記録保持者というだけではない何か・・・・。駅伝時代選手にも感じたクールさの向こうにある「何か」です。
 本書を読み進めるうちに、その「何か」に触れることができるのです。

関連本

Book.アレルギー疾患や免疫機能が低下する遺伝子組み換え食品と農薬基準緩和で「売り渡される食の安全」

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「売り渡される食の安全」(山田正彦著、KADOKAWA

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 いつも私たちは当然のようにおいしいコシヒカリやひとめぼれなどの米で作るご飯を食べています。しかし、このおいしい米を食べられなくなる日が来るかも知れないのです。日本人にとって生きる糧である米を「安心、安全に、しかも安価」で提供することは、「種子法」という法律で定められていました。この「種子法」が国会で審議らしい審議もされず、新聞やテレビで報道されないまま2018年4月に廃止されてしまったのです。
「売り渡される食の安全」(山田正彦著、KADOKAWA)では、元農林水産大臣で弁護士である著者の山田正彦さんが、「種子法」廃止にある政府、巨大企業の思惑を暴き、かつ現場の状況を調べながら、今後の一般市民が食するさまざまな食品や健康に警鐘を鳴らしています。
 

では、「種子法」とはどのような法律なのでしょうか。最大の特徴は栽培用の種子を採取するためにまく「原種」と、大元である「原原種」を栽培、生産し、一般の稲作農家へ供給していくことを各都道府県に義務付けていることです。
 現在、日本でコシヒカリは44府県で栽培されていますが、「原原種」の栽培からこの米が一般家庭に届くまでには、農業従事者の並々ならぬ努力がされていることを知る人がどれ位いるでしょうか。例えば、「原原種」の生産開始から一般農家に稲の種子が届くまでには4年がかかります。また、コシヒカリ新潟県と千葉県で奨励品種として採用されるまでには10年を費やしています。これら栽培なども予算も国が担っていて、この根拠も「種子法」によって制定されてきました。

 
「種子法」が廃止されれば、国は種子を育成しなくてもいいというとになります。では誰が種子を育成するのか。種子を育成するには莫大な時間と資金がかかるために、企業でなければ参入が難しくなります。問題はここからです。現在、遺伝子組み換え産業で有名なアメリカのモンサント社など多国籍企業が、すでに遺伝子組み換えのコシヒカリの種子やゲノム編集された多収穫の米を用意していて、農水省消費者庁が「遺伝子組み換えの安全性は確保されている」と力説しているのです。同著では遺伝子組み換えの種で育成されたコシヒカリが市場に出ていくのは時間の問題とされている、日本の農業現状と問題点を検証しています。
 
 

米国 日本種市場に圧力

17年度の日本の食料自給率は38%、カナダは264%、オーストラリア223%、アメリカ130%で、日本は先進国で極端に低い状況となっています。品種別では小麦14%、大豆28%、畜産物16%で平均値を下回っています。この数字を見てもわかるようにいかに日本の自給率が低く、農産物を海外からの輸入品でカバーされているかが分かります。今後は国内の生産状況も日本独自ではなくなる可能性が高くなるということになります。
 
 19年4月時点で海外に本社を置く多国籍企業は、日本の米の種市場に進出していません。ただ、アメリカは通商代表部を通じて、日本の主要農産物の種子が民間に開放されていないことを問題視して外交圧力をかけてきているのです。その企業の代表として先頭に立つのがモンサント社です。同社はアメリカのミズーリー州に本社を置いていた多国籍企業で、遺伝子組み換え作物で世界的トップシェアを誇示していました。

モンサント製が日本に

日本では1957年に日本モンサントを設立。現在も活動を継続しています。住友化学は14年にモンサントと業務提携することで合意。コシヒカリつくばSD1号と同2号の種子については、住友化学製の農薬および化学肥料をセット販売しています。さらに子会社の住友アグリソリューションズを通じて、農業協同組合農業生産法人につくばSDの種子を販売。
 収穫された米をすべて引き取り、コンビニエンス大手のセブン‐イレブンに販売する体制を確立しています。
 
 モンサント社の生産する遺伝子組み換え食品や除草剤などの商品には、人体への影響があり免疫機能の低下や発がん発生の可能性があることは、これまで何度も指摘されています。18年8月にはカリフォルニア在住の末期の悪性リンパ種と診断されていた男性が、発がんの原因がモンサント社の除草剤を使用していたことにあると訴えた裁判で、サンフランシスコの陪審員は同社に損害賠償金を支払うよう命じました。本書ではアメリカや中国、ロシアの劇的な変化、そしてなぜ、日本は世界の潮流に逆流するのかを検証しています。
 

Commentブログ筆者

なぜ、日本は依然としてノーといえないのか
 モンサント社が発がん性のある除草剤などの製品や、大豆、小麦や種子などの遺伝子組み換え食品を製造し販売していることが問題になったのは20年ほど前だったと記憶しています。にもかかわらず以降、モンサント社の事業は世界で拡大し業績も急成長しました。この状況にブログ筆者は唖然とせざるを得ませんでした。
 
 しかし、世界の潮流は大きく変化していました。現在、中国もロシアも遺伝子組み換え食品を制限し有機栽培による食品を注視しているのです。モンサント社が本社を置くアメリカでさえ状況は一変、同社製を使用し癌が発生するなどの問題を訴える裁判で同社が敗訴するケースが増えています。しかし「売り渡される食の安全」で著者が報告しているように、日本だけが世界の潮流に逆流しているのです。
 
いつのまにか健康食が発がん食品に
 それは原子力発電の問題とイコールなのかもしれません。原発システムが、東日本大震災を契機に日本国内でここまで負の資産を抱えきれないという事態を、誰もが理解し把握できるようになった現在でさえも、原発推進会社の経営陣に対して全く異論を唱えない権力機関が存在する国です。この国は一体、どんな国なのかと疑問を感じざるを得ない状況に一致するのです。
 
 このままでは我々は毎日、口にするご飯やおにぎりが発がん性のある食品にいつのまにか変化していても、健康食だといわれている大豆や豆腐が、発がん性のある種から製造されていることが表示されないことから、発がん商品だと知らずに購入していても、病気の原因が国家政策にあることや、製造元を訴えることができなくなるのです。
 大切な健康や食生活の安全がなぜ失われるのかを考えるためにも貴重な一冊です。

関連本

Book.毎日の健康や病気の理由が分かる体内細胞の日常を描く漫画「働く細胞BLACK(4)」

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「働く細胞BLACK」
(原作・原田重光、漫画・初喜屋一生、監修・清水茜 講談社

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 人間の体内には約60兆個の細胞が働いているといわれます。その中の赤血球や白血球などの働きを中心に擬人化した漫画が「働く細胞BLACK」(原作・原田重光、漫画・初喜屋一生、監修・清水葵 講談社)です。
 「第4巻」では「膵臓」や「帯状疱疹」「痔ろう」「血管」などをテーマに展開。「膵臓」をテーマにした「膵臓インスリン、決壊」では、糖尿病の人物の体内の様子が描かれています。糖尿病は糖分を助けるインスリン(ホルモン)の量が減ったり、正常に働かなくなると血中の糖分が高くなり、さまざまな弊害を発生させる病気です。

 

 赤血球は酵素と一緒に栄養素も運ぼうとしますが、インスリンの量が足りなくなると吸収できなくなります。そうなると、腎臓で血液をろ過する糸球体は、体内で糖分の量が増えすぎ、血液をろ過できなくなってしまうのです。糖分は腎臓でろ過された後も体内で吸収されずに排出されてしまう尿糖が出てしまいます。
 そこで赤血球たちは、インスリンを分泌する内分泌系のβ細胞のいるランゲルハンス島を訪れます。しかし、インスリンは糖尿病で血糖値が上がり、インスリンの必要性が増すと、β細胞の仕事が忙しくなりやがて疲弊してしまい、インスリンを生産しない状況になってしまったのです。一方でそんな状況になっていることに気づかない主人は、アルコールを飲みたばこを吸い続けます。体内で働く細胞たちの職場は、ますますブラック化するばかりなのです。
 

ウイルスとの攻防を描く

帯状疱疹」では、帯状疱疹ウイルスとの体内の攻防が描かれています。帯状疱疹は、体の中に潜むヘルヘルペスウイルスの一種である水痘・帯状疱疹ウイルスによって起きます。ピリピリ刺すような痛みと赤い斑点が体に帯状に現れます。このウイルスと闘うのがガン細胞などを始末するキラーT細胞です。キラーT細胞はヘルパーT細胞の命令により動きます。
 しかし、帯状疱疹ウイルスの攻撃を防ぐことはできません。帯状疱疹ウイルスの痛みは激しく、疱とが体を一周したら死ぬともいわれるほど危険なウイルスです。容赦ない攻撃に必死で白血球も反撃します。絶体絶命の危機に、突然にウイルスたちが攻撃をやめます。体外から薬物のアシクロビルが投与されたのです。この薬は水痘や帯状疱疹ウイルスに有効性を持つもので、ウイルス自体のDNAに入り込み、その増殖を防ぐ力があったのです。ヘルパーT細胞の働く様子は随所に描かれていますが、「第3巻」では尿道から細菌が逆流することで起こる急性腎盂腎炎でも細菌の侵入を防ぐべく、白血球たちに指令を出し続ける様子が描かれています。
 

Commentブログ筆者

 改めて自分の体内を省みて細胞たちに感謝
 普通に健康体で生活していると、身体の中で細胞がどのように働いているかに気を遣うことを忘れてしまいます。どこか調子が悪くなって初めて、自分の内臓が疲れていることに気づいたりするのです。「働く細胞BLACK」は、そんな生活を過ごしているブログ筆者には新鮮な漫画でした。
 
 医療業界やそこで働く人間たちの姿を描いた作品は多いですが、人間の体内の細胞や、病気をテーマにした漫画作品はそう多くはないと思います。監修者の清水葵さんの漫画「働く細胞」がベースとなっていますが、読者ターゲットを上げて描かれています。何よりも楽しみながら人体や体内の様子を勉強できるという点がいいですね。
 
 当初、タイトルの「BLACK」の意味が分からずに手塚治虫先生の名作「ブラックジャック」を連想したりしましたが、細胞たちが働く人間の体内の現場が、今でいう「ブラック」だという点に気づいた時はすぐに納得できました。
 
 常々、腸の健康こそが大事だと主張しているのは藤田紘一郎先生ですが、我々は脳の自我に翻弄されるままに暴飲暴食を続ける結果、必死に体内で細菌たちと攻防を続けている細胞たちにとって、日ごろの人間の生活や食生活は褒められるものではないのです。ここまで細部に至り体内での細胞の活動や、病気発生に至る経緯を知ると、少しは食生活も自嘲しなくてはいけない、体内の細胞たちに感謝しなければいけないと改めて思わされる作品です。

Book.大人もAIに仕事を奪われない。読解力アップの実践法「AIに負けない子どもを育てる」

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新井紀子著、東洋経済新報社

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 現在はさまざまな分野でAI(人口知能)を活用したコンピューターやロボットが活用され、今後は我々の社会で「AIに仕事を奪われる」分野や人材が出ることが懸念されています。人間はAIに負けてしまうのか、負けないように子供の頃から訓練する方法を紹介したのが本著「AIに負けない子どもを育てる」(新井紀子著、東洋経済新報社)です。
 著者の新井紀子先生は、AIは将来的には人間の十分なコミュニケーション能力を要する分野、実際に肉体を活用しなければいけない分野、そして「読解力」を必要とする分野では十分な力を発揮できないと予測しています。つまりAIに勝つためには「読解力」を強化する必要があるというのです。
 
 しかし、読解力のない人たちが増えているのが現在でもあります。この状況を書いたのが前著「AI.vs教科書が読めない子どもたち」(同)で、山本七平賞日本エッセイスト・クラブ賞に続き、2019年ビジネス書大賞などを受賞しました。新井先生は一ツ橋大学法学部およびイリノイ大学数学科を卒業後(専門は数理論理学)、11年からは人口知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」ディレクター、16年から読解力を診断する「RTSリーディングスキルテスト)」の研究開発を主導しています。

 
 AIを信じなければ、このテクノロジーを前提にして再編される2030年代を生き残ることはできない。しかし、AI万能という情報を鵜呑みにすれば、5000円の羽根布団を50万円で買うことにもなりかねない。ですからAIを過小評価せずに、過大評価もしないことが大切だと説いています。特にモノ作りで生きる日本国民には、GAFAの宣伝に踊らされることなく、正しいAIリテラシーを身につけてほしいと主張しています。
 そのための対策として、AIの性能を測るための問題集が必要だと感じた新井先生が実施しているのが、日本独特のRST(リーディングスキルテスト)です。本書では実際のRSTも紹介しながら、読者が実際に体験できるようになっています。
 AI時代を生き抜くために重要になる「読解力」を身につけられる方法や、実際の授業の状況やテスト結果を分析し出た傾向をもとに、学生たちに必要な授業が提案されています。

 

実践スキルテスト添付

 RSTは「係受け解析」「照応解決」「同義文判定」「推論」「イメージ固定」「具体例固定」の項目で構成されています。例えば、「係受け解析」では、【水にしずむ鉄でできたボルトとナットも、鉄より密度の大きい水銀は水に浮かぶ。この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから一つ選びなさい】を例題に、問題として【ボルトは(  )に浮かぶ】の( )内候補に①水銀②鉄③水④氷を挙げています。
 このテストを受けたタイプとしては、11万人の受験者データを分析し、28項目中で「係受け解析」「照応解決」「同義文判定」で6点以上、「推論」「イメージ固定」「具体例固定」で3点以下の層が最も多いという結果がでました。
 
 タイプとしては、活字を読むことは嫌いではなく、知的好奇心はあるのに理数系やコンピューターに苦手意識がある。ネット情報に頼りがちであることから「情報過多で論理力不足」だと分析しています。また、読解力を培う授業では、小学校4年生向けに、単元名「正しく伝えよう」、目標は「無駄なく正確に文章で伝える」力を培う国語の授業を提案しています。同授業では、オセロの玉を並べた状態と、その説明文章を正確に結びつける「イメージ固定」の力をつけることを第一の目標としています。本書では具体的な授業内容が紹介されています。巻末には小学校高学年までに子供が取得すべきことを箇条書きにまとめています。
 

Commentブログ筆者

スキルアップテストで大人も読解力がアップする
 AI時代をどう生きていくか。今後はAI導入で失われる職業が増えることが予測されています。わかりやすくいえば、コンピューターの自動化で人が必要なくなるということです。「AIに負けない子どもを育てる」は、そのような社会で生き抜くためには、AIが進出できない分野で仕事をするか、AIに負けない力をつけるためのトレーニング方法を提案しています。
 ではAIの躍進で社会がどう変化するのか。仕事ではどんな分野がAIを導入したコンピューターやロボットなどに変化してしまうのでしょうか。例えば最近では、我々の生活に密着した分野では小売店のレジ係や、飲食店のカウンター接客係などが挙げられます。実際に小売店のレジ係では自動支払い機器を導入した店舗が増えていたり、無人店舗が出店されています。電話代行サービスなども、コンピューターが受け応えする企業が増えています。原子炉など人間が入ることのできない危険地帯でロボットが活躍していることはご存じの方も多いと思いますが、廃棄関連ではごみ処理などもロボット化学によるオートメーション化が増々、進むと予測されています。
 
 このような状況で生きていくための提案事項として新井紀子先生は、AIが苦手とする「読解力」にスポットをあて、子供から大人まで強化する方法をRST(リーディングスキルテスト)を基本に紹介し提案しています。
 本書でも実際にテストもいくつか出題されていますので、自分がどんなレベルにあるのかをテストしてみることもできます。大人でも読解力が上がる例として、実際にテスト受講者が能力アップにつながった事例も書かれていますが、本書を通して今、一度、自分の脳力をチェックしてみてはいかがでしょうか。
 前著の「AI.vs教科書が読めない子どもたち」は多くの賞を受賞するなど話題にもなりヒットしました。これらの印税を教育機関の充実や災害に備えたツールに活用することも明記しています。

関連本

Book. UFO体験を考える「哲平くんと宇宙人」「UFOエネルギーとNEOチルドレンと高次元存在が教える 地球では誰も知らないこと」

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「UFOエネルギーとNEOチルドレンと高次元存在が教える地球では誰も知らないこと」
(保江邦夫、松永久著 明窓出版)

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宇宙人について書かれた本は今までに多く出版されていますが、今年では絵本「哲平くんと宇宙人」(いけかつまいこ著 星雲社)や「UFOエネルギーとNEOチルドレンと高次元存在が教える 地球では誰も知らないこと」(保江邦夫、松久正著 明窓出版)などが挙げられます。
「哲平くんと宇宙人」は、勉強や運動があまり好きでない、ひきこもりがちな少年が宇宙人と出会い旅する物語です。少年は現実の生活から逃げたくなり、神様にどこか遠くに連れて行ってほしいとお願いします。ある日、少年は宇宙人に出会い宇宙船で宇宙に旅します。そこで楽しいことを経験しますが、やがて地球に戻りたくなり、再び、地球に戻れるようにお願いするのです。なぜか、地球に戻った少年は今までのひきこもりがちな少年ではなく、学校でも皆と楽しめる小学生に変わっていました。著者のいけかつまいこさんは、元はミュージシャンで森山直太郎さんのバックミュージシャンもつとめたことがあるそうです。

「UFOエネルギーとNEOチルドレンと高次元存在が教える 地球では誰も知らないこと」は、ノートルダム清心女子大学教授の保江邦夫先生と、「むげんだい医師」で鎌倉ドクタードルフィン診療所院長の松久正先生の対談本です。
 タイトル通りにUFOや高次元存在のエネルギーについて、ご両人の経験談や出会った人々との話を公表しています。保江先生はフランスのルルドに行ってマリア様からの高次元の「愛」のエネルギーが働いて、奇跡的にがんが消えたことなどを話しています。また、松久先生は、最近の子供たちに元気がないのは、地球や親の持つ複雑なエネルギーで、子供たちの本来にもっている高い価値のあるエネルギーが失われていることを嘆いています。大人は早くそこに気づいてほしいと述べています。対談形式で構成されていますので読みやすい内容となっています。

がんが突然に消えた

保江先生の有名な話は冒頭でも書いた、フランスのルルドの水でがんが消えたことです。以降、先生は高次元からさまざなメッセージを受けたり、高次元の存在と遭遇したりしています。

UFOについては、先生の住んでいるマンションの駐車場が地球の気脈の結節点「龍穴」になっていて、すごい波動を発している所があるらしいのです。保江先生はそこにUFOが現れる可能性があると考えていたらしいのですが、1年間は全く現れませんでした。それが、先日ついに現れました(対談当時)。映画「未知との遭遇」の最初のシーンに登場する、赤、青、緑の光を放つ小型UFOだったということです。

また、こんなエピソードも披露しています。四国のある県立高校の先生から「いじめ防止対策講演会」に講演依頼があり出かけたところ、そこの校長先生がUFOをよく見かけるという話を突然にしたり、保江先生に講演の依頼をした人が、UFOに乗ったことがあると言い出したのです。
その人はまず、宇宙人らしい人物が目の前に現れてコンタクトをとるようになったらしいですが、学校の先生ですから二人とも保江先生と出会うまでは、お互いに全くUFOの話はしたことがなかった。つまり、保江先生がきっかけで、お互いがUFOについての経験談を披露したらしいです。
一方、松久先生は脳の松果体には宇宙の叡智が入ってくることから、ここをいかに活性化するかが、人生を楽しく生きれらるかの鍵になると述べています。

Commentブログ筆者

UFO体験で明らかになること

ブログ筆者がUFOに関心を持ったのは小学生の頃でした。当時、テレビで特集番組を見たのがきっかけでした。当時はよく、近くの山の秘密の場所へ出かけてはUFO探しをしました。

以降、成長するにしたがい、仲間同士でたまにUFOや宇宙人について話すことはありましたが、大人になるにつれ徐々に減っていきました。ただ、映画「未知との遭遇」や「E.T」の記憶は、いつまでも消えることはありませんでした。

自分が自分から抜け出したのは、中学3年の夏、学校から帰宅途中に自転車から転倒した時でした。一回転して地面に落ちる途中で空を飛んだのです。

そして、何か自分を超えた存在がいることに気づいたのは25歳の頃だったと思います。ハードワークによる疲労が原因で高熱が続き、1週間ほど入院した時に「存在」が現れました。その点は保江先生ががん治療のために、フランスのルルドに出かけ祈念した時と心情的には似ているかも知れません(命がけの祈念という点で)。

ブログ冒頭では今年に出版された2冊で面白かったものを紹介させていただきましたが、以前に出版されたUFOについての本では、「Lシフト スペース・ピープルの全真相」(秋山真人、布施泰和著 ナチュラルスピリット)「ETコンタクト~宇宙人UFOとの遭遇は始まっている」(坂本政道著、ハート出版)が挙げられます。

執筆者の秋山さんは超能力者、布施さんは元ジャーナリスト(共同通信記者)、坂本さんは元ソニーの社員と職業もさまざまですが、それぞれのUFO体験もとても興味深く読むことができます。ボリュームの都合上、この2冊についてご紹介できないのは残念ですが、UFOに関心のある方はご存じの方も多いと思います。それくらいに超能力やUFOの世界では著名な方々で、内容も充実しています。

現在はUFOや宇宙人について信じるか、信じないかと言っている時代ではないことは多くの人が認めるところだと、個人的には思います。自分がなぜ、ここにいて、本当はどんな存在なのかを知る上でも、UFOや宇宙人について考えることは大切なことです。(もちろん、悪い存在がいることも忘れてはいけません)

関連本

Book.世界的投資家が予測する未来「日本への警告~米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く~」

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「日本への警告」(ジム・ロジャーズ著 講談社

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 かつて世界を驚かすほどの驚異的な経済成長を遂げてきた日本は現在、衰退の一途を辿っている・・・・少子化財政赤字問題をこのまま放置しておけば、行き着く先は破滅にほかならないと著者で世界的投資家のジム・ロジャーズさんは「日本への警告~米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く~」(小里博栄《取材、翻訳、監修》、花輪陽子《監修》 講談社)の中で指摘しています。
 
 ロジャーズさんは大学を卒業後にウォール街で働き、やがて投資家のジョージ・ソロスさんとクォンタム・ファンドを設立し、10年で4200%という驚異的なリターンを出した人物です。同著では現在の日本を取り巻く世界情勢や、日本の問題点と解決策を提言しています。まず、少子高齢化や多額の財政赤字に伴う長期債務残高について、日本人は問題を認識しながらも、問題に対して本気で解決してこなかった。それは「日本は大丈夫」だという根拠のない思い込みをしているからではないかといいます。

 

しかし、公的年金問題がクローズアップされる中で、今は「日本は絶対に大丈夫」だとは信じていない人が増えている。ただ、その破滅的な未来をどう回避すればいいのか分からないのだと断言します。問題の根本には安倍首相の無政策があり、アベノミクスの第一の矢である金融緩和は、日本株価を押し上げ企業が息を吹き返したように語られていますが、通貨切り下げが中長期的に国の経済を成長させたことは一度としてないということです。
 2020年に開催される東京オリンピックパラリンピックに関しても、道路改善やスタジアムの建設事業にかかわる人々や政治家は恩恵を得られるかもしれませんが、オリンピックが国全体を救えたことはありません。むしろ、さらに日本の借金は増えると指摘しています。
 このままでは30年後に日本ではより犯罪が増え、50年後には日本政府に対する反乱が発生すると予測する著者が、現在、日本が克服すべく課題、解決策を挙げています。

 

少子化問題の解決が先決

ロジャーズさんは日本では「人口減少」問題を挙げています。とにかく日本政府は、少子化対策について効果があることは何でもやることが先決で、子育てにはインセンティブを与え、女性が仕事と両立できる環境を整えるべきだといいます。
 アメリカやシンガポールでは、女性が産後3か月程度で復職するのが一般的で、日本では1年以上の長期にわたる産休が認めらます。日本の方が恵まれていると思われがちですが、逆で日本では保育園やシッターサービスが不足していることが原因でもあるのです。
 この状況から長期にわたって日本の女性は育児とキャリアの二者選択を迫られ続け、企業にとっては労働力不足につながってしまいます。そのような意味でも日本政府は女性をサポートするサービスを、予算の第一優先にあげて問題解決に取り組むべきだと提言しています。
 
 また、日本企業については、高品質商品の生産を強化することが重要だと掲げています。自動車やテレビゲームなどを見てもわかりますが、日本のクオリティに対する情熱は間違いなく世界一で、2番めの国が思いつかないほどに群を抜いています。日本ほどクオリティに対して「抑えがたい欲望」をもっている国は他には思いつかないというのです。
 他国の文化やビジネスを取り入れて、さらにレベルを上げることに長けていることも注目されます。インドや中国、マレーシアの工場で製造されている無印良品やウォシュレットなどの例にもある通り、「メイド・イン・ジャパン」をもっと世界に広めることを提案しています。
 

Commentブログ筆者

日本の問題点を冷静に分析し提言
 最近の日本を取り巻く世界情勢では、香港の学生たちの政府に対するデモ、イギリスのEU離脱問題、続発する北朝鮮のミサイル発射、緊張の続く日韓関係、そして日本国内では年金問題から増加する幼児虐待まで問題は山積しています。少し考えてみても世界情勢や日本が、依然として激動の時期を迎えていることは誰もが知るところです。
 
 いつのころからか日本はグローバリズムに乗り遅れ、少子高齢化が進み、二極化で貧困層が増えていることは理解できますが、なぜ打開策が見えてこないのかが、分からない人も多いのではないでしょうか。
 この点で世界的投資家のロジャーズさんは、投資家の立場から日本を冷静に分析し、問題点を指摘し改善策を直言しています。後は日本政府がどう変化するかですが、何よりも一番に変化すべき分野が旧態依然としていては、抜本的な問題解決には至らない。状況は悪化するばかりといったところではないでしょうか。そのような意味でも、「日本への警告」では現在の日本がどのような位置にあるのかがよく理解できます。
 
中国の驚異的な成長と朝鮮統一
 世界情勢については中国がアメリカの8倍エンジニア数を輩出していることなども書いていますが、同国の驚異的な成長には目を見張るものがあります。ブログ筆者には海外生活が長い身近な人物がいます。彼が10年程前に、当時、「これからは中国語を話せることが大切だ」と言っていましたが、ロジャーズさんも同じことを考えていることを個人的に注目しました。
 ブログ筆者に身近な人物は社会に出てからのほとんどを海外で生活していますが、海外で仕事や生活することもロジャーズさんが、重要ポイントに掲げていることの一つです。成功し続ける人たちには、いくつか共通項があるようです。

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