musashiman’s book review

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Book.「発生6年前に悪性ウイルスの流行を予言 石弘之『感染症の世界史』」

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悪性感染ウイルスの流行を予言
 昨年12月末に中国・武漢で発生した新型コロナウイルスは世界中に拡散し多くの感染者と死者を出しています。
 地震などの災害と同様に悪性ウイルスの流行にもサイクルがあるという元朝日新聞編集委員で環境ジャーナリストの石弘之さんは、この悪性ウイルスの発現を予言し、2年前に上梓した文庫版「感染症の世界史」(KADOKAWA)の中で警鐘を鳴らしています。

 

 「感染症の世界史」では「エボラ出血熱」や「デング熱」の発現や原因、「環境変化が招いた感染症」などを検証。「世界で増殖するインフルエンザ 過密に社会に適応したウイルス」では、インフルエンザウイルスがどのように発生してきたかを考証しています。

 

 同ウイルスはガン、カモ類、シギ、カモメや、牛、犬、猫、ネズミ、クジラなどの哺乳類から人に感染する可能性があるといいます。鳥インフルエンザウイルスが人に初めて感染したのは1997年で国際社会は衝撃を受けました。前年には中国・広東省でガチョウが鳥インフルエンザにかかり、感染したガチョウの4割が死亡していたのです。
 

 この鳥インフルエンザが変異を起こして「人から人」へ伝染した状態になれば、「感染爆発」のパンデミックとなり、500万人以上の死者が出る可能性があることをWHO(世界保健機構)は2005年9月に警告していることが書かれています。
 
 
ブログ筆者Comment
戦争では多くの兵士が感染症で死亡
 昨年12月末に中国の武漢で発生したこの悪性ウイルスは、ほんの数か月で世界中に拡散、アメリカやヨーロッパ諸国の首脳は、公の場で戦争状態と発言し、日本でも4月7日に緊急事態が発令され、外出抑制が発表されました。石さんは著書の中で、戦争ではコレラマラリアなどの感染症による兵士が多く死亡したことも述べています。
 
 新型コロナウイルスの発祥はコウモリといわれ、そのコウモリから感染した動物を人が食べたことが原因といわれています。12月末にはAI探知機が既に警告を発信していたともいわれますが、最初にこのウイルスを発見し、既に他界した武漢の医師以外に世界中で誰も気づく者はいませんでした。
 
 日本でもコロナウイルスが経済に与える状況は深刻さが増すばかりで、パブや居酒屋、飲食店をはじめとしたさまざまな業態では、営業時間の制限や営業自粛を強いられ、財務状況がひっ迫し経営困難な企業も出始めています。

 そして何よりも危惧されるのは患者の急激な増加にともなう医療崩壊であることは言うまでもありません。
 

 コロナウイルスを封じ込めるワクチンができるのは早くても2021年といわれており、少なくとも、人類はこれから少なくとも1年間は余談を許さない状況が続くことになります。

 対策は個人個人が健康維持、体力維持に努め、密集、密接、密封エリアを避ける行動以外に方法はありません。

 

 

www.kadokawa.co.jp

 

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