musashiman’s book review

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Book.Manga花沢健吾「『アンダーニンジャ(4)』国家レベルの争いでニート忍者が格闘」  

 

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「アンダーニンジャ(第4巻)」(花沢健吾著 講談社

現在も忍者は生存している

 忍者は現在も生存している・・・・。

 かつて栄華を誇った日本の忍者たちは、戦後GHQによって解体させられ消滅した筈でした。しかし、実は現在も忍者は生存しており、精鋭の忍者は国家レベルでの争いの裏で暗礁。一方で末端の忍者は仕事にあふれ、ほそぼそと暮らしているのです。

 

 その一人、「アンダーニンジャ」の主人公である雲隠九郎も忍者ニートとして、アパートの家賃を払わず、偶然に隣の住人である大野さんが襲われたのを助けたことがきっかけで、当人の押し入れのような妙なスペースに居候のような立場で住むようになりました。

 

 ニート状態にあった九郎がキャリア忍者・加藤から任命されたのは、旧陸軍中野学校の分校・江古田分校の跡地にある講談高校への侵入でしたが、その前に日本に密かに侵入した外国人テロリストの討伐が命じられます。

 以降、テロリスト討伐をめぐり忍者同士の闘いが繰り広げられますが、その中でキャリア忍者・加藤は老人宅に忍び込んだ詐欺集団を殺害するなど正義をみせます。既に存在しないといわれる忍者ですが、現在にあってはもちろん、現在の難事件に遭遇。何よりも「第1巻」冒頭の導入シーンは、中東に降りた米軍の特殊部隊の戦闘シーンから始まるのも印象的です。

 一方で九郎が住む古びた小さなアパートに住む住人たちとの交流や、忍者からの訪問を受け、その内容を小説の題材として書き始める売れない歴史作家なども登場し飽きさせない内容となっています。最新巻では、外人テロリストを倒した九郎が講談高校に入学、新たな敵との闘いが始まります。

 

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https://kc.kodansha.co.jp/product?item=0000319742

「アンダーニンジャ(第4巻)」(花沢健吾著 講談社

 

 ブログ筆者Comment

日本人がウイルスに感染しパニックに「アイアムアヒーロー

 ブログ筆者が赤沢健吾先生の作品を始めて読んだのは2010年にコミックスが発売された「アイアムアヒーロー」でした。この漫画は大泉洋さん主演で映画化(2016年)もされ話題となった作品です。漫画は2012年には小学館漫画賞も受賞しました。

 

 「アイアムアヒーロー」では漫画家の主人公である鈴木英雄は、漫画家としてデビューしたものの、いつのまにか連載は不評となり借金を背負う生活にまで追いやられてしまいます。ついに売れっ子の漫画家のアシスタントに就き、再デビューを目指す生活を始めます。そんな鈴木の希望は恋人の黒川徹子の存在でした。

 

 しかし、ある日、鈴木が恋人の徹子の住むアパートを訪ねたところ、彼女は全く違う妖怪のような怪物に変貌していました。以降、徹子のみならず日本人は謎のウイルスに感染、もしくは怪物に変貌した存在に噛まれると、人間としての命を奪われ、噛まれた本人は怪物と化してしまう状態が続きます。

   やがて日本中はこのウイルスと怪物でパニックとなりパンデミックが起こります。そして、鈴木の生き残りをかけた闘いが始まるのです。

 

目に見えない悪の存在との格闘

 「アイアムアヒーロー」はコミックスが発売されたのは10年前ですから、東日本大震災が発生する1年前、雑誌連載はその前からスタートしています。そして、この漫画で描かれている状況が、現在のコロナウイルス感染が拡大する世界の状況と重なる点が多いことも、単なるホラーSF漫画ではないといえるでしょう。

 

 2019年12月末には突然に、人を多臓器不全に追い込むコロナウイルスが発生し、日本でも翌年1月からウイルスが拡散し多くの人が感染しつつあります。

 感染者の多くが死亡し、国民の多くが自宅待機や以降もテレワークの日が多くなりました。初めて経験した非常事態宣言の発令も、今では既に経験されたことになりました。

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アイアムアヒーロー(第1巻) 」(花沢健吾著 小学館
 

www.shogakukan.co.jp

 発生して9年が経過した東日本大震災による復興もまだまだ途上にあります。何より福島原発の後処理が最重点課題で、今後の成り行きが問われています。

 コロナウイルス原子力発電による放射能汚染も、我々、通常の人間の肉眼レベルでは認識、確認できない物です。その点でも赤沢先生の作品から学ぶことは多いといえます。

 

関連本

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「たかが黄昏れ(第1巻)」(花沢健吾著、小学館

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