musashiman’s book review

一般の話題本や漫画を紹介しています。

Book.ボクシングバンタム級WBA・IBF王者 井上尚弥の結果の出る思考術「勝ちスイッチ」

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「勝ちスイッチ」
井上尚弥著、秀和システム

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 11月7日、さいたまスーパーアリーナで世界最強を決めるワールド・ボクシング・スーパーシリーズWBSSバンタム級決勝が行われ、WBAIBF世界バンタム級王者の井上尚弥選手(大橋ジム)が、フィリピンの英雄マニー・パッキャオに次ぎ「伝説」といわれる5階級制覇王者のWBAスーパー王者のノニト・ドネア(フィリピン)を3-0の判定で下し優勝しました。
 
 WBSSとはボクシングの異なる団体の世界王者ら8人が争うトーナメントで、2017年の第1回目は賞金総額50憶円といわれ、スーパーミドル級で実施されました。第2回のWBSSバンタム級トーナメントは昨年10月にスタートし、井上選手は1回戦で元WBAスーパー王者のフアンカルロス・パヤノ選手(ドミニカ)を相手に1ラウンドでKO勝ち、2回戦目の元エマヌエル・ロドリゲス(プエリトルコ)にも2ラウンドTKOで勝利を収め、決勝へと進んだのです。

 

決勝は井上、ドネア両者の壮絶な打ち合いで、2ラウンドには井上が右目上をカット(後に眼底骨折と判明)しましたが、その後も怯まずに攻撃、両者が互角とも見える中で、11回に左をドネアのボディーに炸裂しダウンさせました。判定は一人が1点差としたものの、他二人は、5点と8点差の井上の勝利と採点していました。まさにモンスターの通り、怪物の力を証明したのです。
 「勝ちスイッチ」(井上尚弥著、秀和システム)は、天才、モンスターといわれる井上選手の、ボクシング論や家族、生き方についてまとめられたものです。

血のにじむ練習をしてきた

自分が天才と呼ばれることについて井上尚弥選手自身はどう思っているのでしょうか(本書よりブログ筆者が抜粋し作成しています)。
6歳で、町田協栄ジムに通っていた父・真吾の姿に憧れてボクシングを始めた。小学生の頃からスパーリング大会で上級生に勝ち、高校では7冠を獲得して、当時からプロボクサーたちとスパーリングしてきたが、当時から天才と呼ばれるほどのセンスがないことを自覚していた。父はメディアの取材で「天才ですね」とヨイショされると、「尚は血のにじむような練習をしてきたことを知らないのに、簡単に天才などという言葉を使わないでくださいよ」と冗談半分、本気半分にたしなめることがある。
 
 ボクシングはスポーツだが、ウエイト階級制であり選手たちはリミット内の体重で試合に出場します。スポーツとはいえ、拳で相手にダメージを与える危険な格闘技でもあるのです。絶食を何日も強いられた上に、リング上では大きな打撃を脳にも受けます。まさに「命をかける」スポーツと見る一般人は多いですが、井上選手は「リングに命はかけない」といいます。
 

100%の準備でできる自信

「命をかけるボクシング」は、僕が理想とするボクシングの対局に位置する。殴り合いにいくのだから、本能も感情も覚悟もある。しかし、求めるのはそういうボクシングではない。2本の腕だけで何ができて何を魅せられるのか。情熱や殺気、そして冷静さのバランスをとりながら、勝つためのデザインを描き、その作業を遂行していく。「打たさずに打つ」「パンチをもらわずに勝つ」究極の心技体の完成作品をそこに求めている。
 
 では、メンタル部分はどう管理しているのでしょうか。
 周りが見えなくなるパニック状態は、「負けたらどうしょう」「相手はどんなパンチを放ってくるのだろう」といった不安や恐怖、ネガティブ要素が原因で発生する。いかに「自然体でいられるか」が大切になってくる。
 父と拓真と共に小さい頃から練習などを通じて培ってきた性格なのかも知れないが、1番は100%の準備をして作り上げた自信だろう。
 

ボクシングで熱狂させたい

Commentブログ筆者
 著書「勝ちスイッチ」は井上尚弥選手のWBSS勝戦が行われた翌日には大々的に新聞広告が打たれました。NHK「プロフェッショナル」も12日には井上尚弥選手を特集、同週発売のボクシング専門誌はもちろん、ほかに多くのメディアが最速で井上尚弥選手を特集しています。メディアだけでなく多くのファンが今回の決勝戦で井上選手が有利と見ていたのでしょう。
 
 しかし、ブログ筆者は相手のドネア選手の状況をみた時に、もしかしたら井上選手は苦戦する可能性があることを直感したのです。それは、伝説とまで呼ばれるドネア選手の体格にありました。年齢36歳とはいえ、ドネア選手は今回のトーナメントにフェザー級から二階級下げての参戦だったからです。
 
 ブログ筆者の脳裏をよぎったのは、WBC世界バンタム級王者で後に同スーパーバンタム級王者、同フェザー級王者の3階級制覇を成し遂げた長谷川穂積選手の姿でした。長谷川選手はバンタム級王者時代に5年間王座に君臨し10度の防衛を果たした王者でした。このクラスでは無敵だったのです。
 その長谷川選手が階級を上げてフェザー級の王者になるまでには、バンタム級時代のように相手をKOで倒したように、簡単には勝利を掴むことができませんでした。少しのウエイトや体格の違いがボクシングの試合には大きく影響してくるのです。
 
人間離れしたパワーを証明
 井上選手とドネア選手との試合でも、ドネア選手はウエイトをバンタムに戻したとはいえ、井上にとっては初めての判定になりました。井上選手はそれまでの最強相手を早いラウンドで倒す試合ではなく、フルラウンドを闘いましたが、やはり、5階級を制覇したドネア選手の力があったことを証明しています。
 そして、常に強い選手と対戦して、ボクシングを通じてお客やファンを「熱狂」させたいと話す井上選手の、人間離れした並々ならぬパワーを証明した試合でもあったのです。

関連本

真っすぐに生きる。|書籍詳細|扶桑社

Book.(漫画)「裸一貫!つづ井さん」. ベストセラー「腐女子のつづ井さん」で新シリーズ

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「裸一貫!つづ井さん」
(つづ井著、文藝春秋

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 アラサーでおひとりさまで、オタク女子のつづ井さんがツィツターで書き続けたコミック・エッセイ「腐女子のつづ井さん」(KADOKAWA)シリーズは現在、3巻まで発売され累計発売部数が35万部のベストセラーとなりました。
 「腐女子」とは「ボーイズラブ」が好きな女性のことで、「腐女子のつづ井さん」さんには、つづ井さんの日常の生活が、絵日記風に読みやすく描かれています。仲間と公園に出かけて遊んだり、誕生会を開いたり、何か特別なことをやっているのではないのですが、とにかく、つづ井さんは「毎日を楽しんで」いるのです。

 


 デビュー作の「腐女子のつづ井さん」は「第20回文化庁メディア芸術祭」漫画部門審査委員会推薦作品にも選ばれました。好評につき2019年5月からは「CREA WEBコミックエッセイルーム」(文藝春秋)で新シリーズ「裸一貫!つづ井さん」(同)の連載がスタート。このほど「Ⅰ」巻が発売されました。
 基本的には「腐女子のつづ井さん」の流れを引き継いでいる作品で、登場人物も作者のつづ井さんと友人たちで構成されています。「休みの日は友人たちと集まってオタクしたり、公園で遊んだり、知育菓子を作ったり、架空の恋人を作ったり・・・、やりたい放題やっています」。
 そんな、つづ井さんも気がつけば20代後半、同級生の結婚や出産のラッシュが続くなかで、「特にな~んとも思っていません」。「年々、いろんなことが気にならなくなっていて、自分でもウケる ただただ毎日生きるのが楽しい~」。
 相変わらず、裸一貫のつづ井さんは、毎日、楽しいことを考え実行していくのです。

 
 

友人も皆、腐女子でオタク


 「裸一貫!つづ井さん」に登場する友人Mも橘も、ゾフ田も、オカザキさんもみんな腐女子でオタクです。「夜遊び」ではある日、お泊り会で深夜に4人は「夜の公園で遊ぶ」ことを考えます。やがてシーソーやブランコで遊びながら、近くに高校生のカップルがいることに気づきます。
 
 「ライフハック」では、つづ井さんが何かを世話したいと思います。そこで「自分の尻」を今まで何も気にしてこなかったことに気づきました。その日からお尻用の石鹸で洗うようになり、保湿も始めました。やがて、毎日、撫でまわしていくうちに、愛おしく感じるようになっていくのです。
 
 そして、「漠然とした寂しさとか、行き場のない庇護欲とかさ、今後そういうものに押しつぶされそうになる場面が来たとしても大丈夫って思った。私はこうやってアイデアと工夫で、乗り越えて生きていけるって自信になった」とオカザキさんに話すのです。
 
 「つくってあそぼ」では、「How to 一人で推し活」として、つづ井さんが「推している人」について、推してくれる架空の人を作ります。「その人の人生をイマジネーションの世界で追体験し、その人物の行動を自分のものにします」「SNSでアカウントを作り、その人物として呟き完了」となります。
 

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ツィッターから生まれるヒット作

Commentブログ筆者
 インターネットやスマホの拡大で通信販売での物の売買や支払いなど、さまざまに変化する私たちの生活ですが、音楽や絵、記事や小説、漫画、写真などの創作物でも同じことが言えるようになりました。音楽はパソコンがあれば一人でも作曲しアレンジができ、スマホでは写真を投稿したり、小説や漫画も描き投稿することができます。
 
 従来とは違う形という点では、出版物で話題になったのが、ツイッターへの投稿から拡散し話題となり、商品化されたりするケースです。
 小説では「ボクたちはみんな大人になれなかった」(燃え滓著、新潮社)、そして漫画では今回に紹介した「腐女子のつづ井さん」などが、ツィツターから話題になり書籍化されました。
 今年に入ってからは、累計20万超のリツイートになった「お金持ちになるゲーム」も同タイトルの書籍(小説 昆布山葵著、KADOKAWA)として発売されています。
 
 SNSを通じて誰もが創作したり情報を発信できる時代になって久しいですが、現在もツィッターには多くのユーザーが、自分の行動記録や日記、漫画や創作物、宣伝などを投稿し続けています。生活がスマホ中心に移行し、しかもツィツターは短い文章で完結するから忙しい毎日を送る人には、書きやすく読みやすいSNSの一つです。
 

自分が幸せで生きるのが楽しい

ツイッターで描かれた「腐女子のつづ井さん」も、シンプルで分かりやすい絵日記風のコマ送りです。全部が実際にあった話という点も多くの共感を得ているのではないでしょうか。しかも、「腐女子」という点は少し違うかも知れませんが、普通の一般女性が、自分の生活を楽しくするために、友人たちと工夫しながら楽しみを作っていく。毎日、生きるのが楽しいと思えたことを絵日記として描いていく。
 「自分で自分を幸せにするために、生活を工夫している」ことが多くの読者に支持されている理由だと感じます。

関連本

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Book.「銀行ゼロ時代」既存銀行は店舗も人も消滅、GAFAや新規企業参入で変わる勢力地図

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「銀行ゼロ時代」
(高橋克英著、朝日新聞出版)

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 私たちの生活や企業経営で欠かせない銀行業界は現在人口減少と超低金利に加え、キャッシュレス化、フィンテック(ITを駆使した金融サ―ビス)などのデジタル化が進む一方で、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)をはじめとしたデジタル・プラットフォーマーの金融界への進出により激動の中にあります。
 この状況は働く人が消え、店舗が消え、銀行そのものが消える可能性があり「銀行ゼロ時代」(高橋克英著、朝日新聞出版)が到来しかねないと警鐘を鳴らしています。

 


 全国銀行協会の調べでは銀行の本業である貸出金利息収入は、メガバンク地方銀行など全国115行合計で、2015年度が5兆1655億円が18年度が4兆5020億円に減少。貸出金利回りに有価証券利回りなどを勘案した資金運用利回りから資金調達原価を引いた「総資金利ざや」に至っては、09年度の0.25%から18年度には0.11%にまで減少しており、10億円の貸出を1年継続すれば250万円の利益があったものが、現在では110万円の利益にしかなりません。銀行が得る利益自体が半減しているのです。一方で目立つのがGAFAソフトバンク楽天、LINEなどに代表される企業の銀行業務への参入です。
 
 本書では大きな岐路に立つ日本の銀行の生き残り策、新規企業の金融事業を考証。著者の高橋克英さんは、三菱銀行シティグループ証券シティバンクなどで主に銀行クレジットアナリスト、資産運用アドバイザーとして尽力後に、金融コンサルタント会社を設立し執筆、講演など広範囲に活躍しています。
 

スマホで取引 AIレンディング

銀行員による対面での貸出業務が苦戦する一方で、デジタル技術の進展で業務はどう変わろうとしているのでしょうか。例えば、AIを活用した事業では法人向け貸出で決済や財務情報をリアルタイムで把握するクラウド会計のデータを、個人向け貸出では年収や勤続年数などの個人情報をAIで分析し、貸出金利や期間など融資条件を設定する「AIレンディング」(オンライン融資)があります。
 
 オリックス子会社の弥生は子会社でIT企業のアルトアを通じて、弥生の持つ会計ビッグデータオリックスの持つ与信ノウハウを活用し、オンライン上で短期間で審査を行い、自社ソフトを利用する中小企業向けに貸出を行っています。
 
 また、新規参入企業では楽天リクルートが、日々の決済や口コミなどのデータから信用力を判断し、銀行を介さずに貸出事業に参入。米国・アマゾンでは、2011年から同社に出品する企業への売掛債権の範囲内で融資を始めており、日本でも同制度を導入し、貸出を拡大しつつあります。
 「AIレンディング」は、審査などのスピードの早さや、スマホで手続きが完結する便利さ、そして、銀行の当該ローンよりも金利が低い点などメリットも多いのです。
  
 

若者のメガバンク離れへの対応

一方で新銀行の設立では、LINEが2020年にみずほとの共同でネット銀行「LINE銀行」を設立予定。出資比率は、LINE Financialが51%、みずほ銀行が49%で「スマホベースの次世代型銀行」の展開を目指すとしています。みずほがLINEとの銀行の共同設立に踏み切ったのは、若者層の既存銀行離れへの対応もあるようです。現在、若者層のメガバンク(三菱UFG銀行、三井住友銀行みずほ銀行)を始めとする銀行離れは著しく、個人の普通預金口座開設件数は、メガバンク合計よりも、住信SBIネット銀行楽天銀行イオン銀行などネット銀行が多いといわれています。これらネット銀行 9行の預金残高は21兆4069億円、口座数は3005万(19年3月末)に達しています。
 

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信用金庫、JAバンクは生き残る

スマホやネット取引の進展、コンビニATMがある中で、今後はどんな銀行が残っていけるのでしょうか。信用金庫、JAバンク、ゆうちょ銀行などは生き残る可能性が高いと予想しています。信用金庫やJAバンクは地域密着で築きあげてきた地元政治家や自治体などとの関係は地銀以上に強く、信金業界の中央銀行である「信金中央金庫」と、利益代表機関の「全国信用金庫協会」の存在も大きいのです。会員同士の相互扶助と地域貢献を掲げる協同組織金融機関であることも組織的に強固だといえるでしょう。
 
では既存銀行が生き残るにはどうすればいいのでしょうか。
 個人金融資産の増加や公的年金制度への不安、相続ニーズの増大で、今後も個人向け資産運用ビジネスは拡大することが予想されることから、富裕層向けや資産形成層向けの資産運用や、高齢者を対象としたサービスなどが挙げられるとしています。
 また、東京都内で千代田区中央区、港区、渋谷区などは今後も人口が増加すると予想されていることから、都内を拠点に事業を強化することなども提案しています。

関連本

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Book.(漫画)元柔道部の小林まことが描くオリンピック柔道金メダリスト 恵本裕子自伝「女子柔道物語⑦」

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「JJM女子柔道部物語」
(原作・恵本裕子、脚色、構成、作画・小林まこと 講談社

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  今回に紹介するのは「JJM女子柔道部物語」(原作・恵本裕子、脚色、構成、作画・小林まこと講談社)です。このほど「第7巻」が発売されました。原作の恵本裕子さんは1996年のアトランタオリンピック柔道女子61㎏級の金メダリストです。漫画では彼女の自伝を高校時代の柔道部時代から描いています。
 恵本さんは北海道旭川市内のカムイ南高校柔道部の神楽えもとして登場。たった入部5日めで高体連柔道大会旭川支部の新人戦で、61㎏以下に出場し、柔道歴6年目の黒帯の選手相手に苦戦を強いられながらも、逆転勝ちで優勝します。しかし、神楽は全国高等学校柔道選手権全道大会で強敵の三好千歌相手に戦い、右ひじを脱臼し完全敗退となってしまいます。

その後の高校総体北海道大会でも、マスコミに全く注目されていなかったカムイ南の女子柔道部員は健闘します。意外なことに大会では個人戦48キロ級以下では二瓶幸子、52キロ級以下では井堀礼子らが相手選手に勝ち続けます。
 61キロ級以下2回戦では神楽が網走東高校の水町郁代相手に、巴投げで勝ち、72キロ以下ではエースの藤堂美穂も勝利するのです。これでカムイ南高校2年生女子5人は、全員が初戦を突破するのです。
 ノーマークのカムイ南高校女子柔道部でしたが、以降も勝ち続け準決勝のベスト4に進みます。準決勝では何と二瓶が、それまで快進撃を続けていた札幌陽光高校の中川翔音を抑え込み勝利するという大金星をあげます。
 そして、「第7巻」では61キロ以下で神楽が高校総体北海道大会の様子が描かれます。この大会で神楽は、高等学校柔道選手権全道大会で右ひじ脱臼で棄権敗退となった相手の三好千歌とのリベンジマッチに挑みます。

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意外にも健闘するカムイ南女子

高校総体北海道大会 女子体重別61キログラム以下級準決勝は、三度笠高校3年生の三好と、カムイ南高校2年の神楽が熱戦を繰り広げます。神楽は三好の内股を押しつぶし場外へ、試合を攻勢に進めます。
 両者、引かないまま攻めては守りの試合が続きます。やがて、神楽が巴投げから三好を抑え込み、優勢のまま大外がりを仕掛けます・・・・。カムイ南高校女子柔道部は、神楽が入部したことで、熱気に包まれるようになるのです。
 
 実際に恵本選手が当時、どんな心情でいたのか、さまざまなエピソードも随所に盛り込まれています。例えば、試合が終わった帰宅途中にバスの中で、監督の花井先生が試合に出場した部員全員に、勝っても負けても褒めてくれたことがうれしかったことや、試合では強かった神楽も、早朝のランニングだけは部を辞めたいと思うほど嫌だったことなどが描かれています。
 もちろん男子柔道部員の様子も描かれていますが、第7巻では、ベオグラード世界選手権で銀メダル、バルセロナ世界選手権で金メダルを獲得した越乃忠則選手も登場します。

原作者が柔道の金メダリスト

Commentブログ筆者
 「1・2の三四郎」や「WhatsMichael」などの代表作がある漫画家の小林まこと先生は、2014 年に引退を表明しました。しかしある日、SNSで恵本さんが小林先生の「柔道部物語」(講談社)を高校時代に読んでいたことを知り、しかも恵本さんが近所に住んでいたことから会うようになりました。当時はミュージシャンとして活動することが増えていた小林先生ですが、恵本さんの話が面白かったことから現役復帰して、自伝を描き始めることを決意します。
 
 「JJM女子柔道部物語」の脚色・構成・作画を担当している小林先生は高校時代に柔道経験者であったことから、漫画家としてデビューして以降も「「1・2の三四郎」「柔道部物語」など多くの柔道や格闘技漫画を描いています。
 また、「WhatsMichael」にもみられるように、どの作品にも魅力的で面白いストーリーが進む中で、ちょっとしたユーモアで笑いを誘う表情やコマがあって読み手を飽きさせない漫画家です。そのユーモアは脚色することで「JJM女子柔道部物語」でも随所に描かれています。

原作者指導でリアルな柔道の作画

激しく厳しい柔道部の世界も、部員たちの姿もどこか、辛さを感じさせないのは、小林先生の作画も大きく影響していることは言うまでもありません。しかし、原作者が柔道金メダリストで、実際に投げなどの指導も受けている小林先生の作画は、リアルの一言に尽きます。  
 
 漫画では神楽(恵本選手)がなぜ、アトランタオリンピックで初めて日本人として金メダルを獲得できたのか、十分なプロセスも描かれるようですが、まだ、物語は始まったばかりの高校生時代です。
 今後に神楽もえが、どう柔道家として成長し金メダリストになるのか楽しみですが、実業団に入ってからの神楽の様子も描かれる予定だそうです。柔道の漫画で実業団の世界を描いているものは少ないので、この辺もいろいろ一般読者が知らない漫画を読めそうです。

関連本

Book.消費者の本音を知りヒットを生み出す「なぜ『つい買ってしまう』のか?~人を動かす隠れた心理の見つけ方」

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「なぜ『つい買ってしまう』のか~人を動かす隠れた心理の見つけ方」
松本健太郎著、光文社)

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 ヒット商品やよりよいサービスは多くの企業が存続していく上で重要なものになります。職種や職業を問わず、また個人が仕事をしていく上でも大切ですが、「なぜ『つい買ってしまう』のか?~人を動かす隠れた心理の見つけ方」(松本健太郎著,光文社)は、少子化を背景に経済が減速する中で、「物が売れない」「サービスを提供しても使ってもらえない」人のために、「インサイトに基づく商品・サービス開発」という新しい考え方を提示し、そのための手法を紹介しています。同書では「インサイト」を「人を動かす隠れた心理」と定義しています。
 
 

では、どうすれば、インサイトにもとづいたヒット商品を出せるのでしょうか。そのヒントとしてアメリカの鉄道会社は「人や物を運ぶこと」と捉えず、「車両を動かすこと」と定義したために自動車や航空業界との競争に敗れ、映画業界は「エンターテインメント産業」と考えるべきだったのに、「映画を制作する産業」と近視眼的に定義したために、テレビとの競争に敗れたなど、1960年にセオドア・レビット元ハーバード・ビジネス・スクール名誉教授が書いた「マーケティング近視眼」という論文を紹介しています。
 
 著者の松本健太郎さんは、エンジニア、データサイエンスとして活躍した後、インサイトリサーチやアイデア開発の手法を提示するデコムに入社し現在はR&D部門を統括し、オポチュニティ・インサイトの開発・検証など新しい手法の構築に携わっています。著書に「データサイエンス超入門」(毎日新聞出版)、「誤解だらけの人口知能」(光文社)などがあります。

キーは 機能価値と情緒価値

例えばビ食品メーカーで働くAさんがビスケットの売り上げを伸ばすよう上司から指示されたとします。ビスケットは食べなくても困ることはありませんが、2019年の市場動向をみると微増で、チョコレートはビスケットよりも市場規模は伸びています。ビスケットよりもチョコレートが伸びているのは何らかの理由がある筈です。
 
 そこでキーになるのがインサイトを見つけるヒントになる価値観です。価値には単なる「事実、特徴」、物理面、機能面の「機能価値」、感覚や感情につながる「情緒価値」があります。価値という点でビスケットは「サクサクしていて確かな食感がなく、食べても自分のエネルギーが回復したように感じない」という機能価値に対する不満があったとします。
 
 これがインサイトです(インサイトは8~10件は見つけ出す必要があります)。そこで「確かな食感が口の中でしばらく続き、噛むたびに回復していく」という価値提案を行い、具体的な物に落とし込んでいくということになります。重要なのはビスケットの市場や競合商品を見るのではなく、消費者、つまり人間を見ることが重要だと指摘しています。では自社ブランドではなく、競合ブランドではなく市場ではない、人間を見るにはどうしたらいいのでしょうか。
 
 人間を見るためにデコムでは道標として「美容、ファッション」「健康、ヘルスケア、医療」「買い物、買い方」「仕事、働き方」「IT、メディア、コンテンツ」「恋愛、友人関係」など「生活14カテゴリ」を開発、おおよそ人間がこのカテゴリにお金や時間を費やしている範囲をまとめています。
 
 また、インサイトを発見するための前段階となる新規事象については、「執着心がなければ吸収できる シェイクスピアでゆるっと英語学習」や「誰の目も気にせずスキップできる  平日昼間はリラックスできる贅沢時間」などウエブ上で行うマーケティングリサーチをもとに、「事象を表すタイトル+イラスト+事象内容+個人のデモフラティック(解説)」として提供しています。
 
 

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なぜか、つい買ってしまう魅力

Commentブログ筆者
 日本の経済力が減速の一途を辿っているのは、それまで日本の経済力を支えてきた基幹産業といわれてきた製造業が国際競争に負け続けていることや少子化が原因ですが、その中でもスマホスマホ周辺機器は回復基調、家庭用ゲーム関連などは好調にしています。
 
 これはスマホの新規性と、「ポケモンゲーム」のようにこれまでの家庭用ゲームにGPS機能を付加させ、家の中でなくスポットのある公園やショッピングセンターなど外でゲームを楽しむという、ある意味でそれまで家に籠ってプレイするだけだった、ユーザーのインサイトを探し当てた結果に拡大している可能性があります。
 「ポケモンゲーム」については、仲間同士でギフトをプレゼントしあったり、自分の仲間がどこでゲームをして、何をゲットしたのかも知ることができるなどコミュニケーション効果もあります。これも「こんなゲームがほしかった」というユーザーインサイトに応えた要素の一つといえるでしょう。
 

高くても購入する心理


 また、「なぜ『つい買ってしまう』のか?」の中でも取り上げていますが、悪玉菌と闘う乳酸菌(PA3)を含むという機能価値を全面に打ち出した「明治プロビオヨーグルトPA-3」(明治)も好調に推移しています。
 同社はチョコレートについては早期から機能価値の訴求を強化しています。例えばブログ筆者も食べ続けている「チョコレート効果CACAO」シリーズでは「同72%」「同86%」「同95%」をラインナップ、最近は「アーモンドチョコレート」の「アソート」でアーモンドで食物繊維、オレイン酸、カカオでポリフェノール、食物繊維と大きく明記し「カラダにうれしい組み合わせ」としています。価格も他社品と比較し200円以上高いですが、ブログ筆者は「つい、買ってしまう」のです。
 
 他の商品とは違い通信販売でなく店頭販売が多い食品では、まずユーザーに目立つように店頭に並べられるかが勝負になりますが、やはり、機能価値というのは訴求ポイントが高いですね。
 納豆などは数多い商品が店頭に並びますが、1個の単価が他社品と20円ほど高くても、「国産」「国産大豆100%使用」とネーミングに大きく表記してある商品を購入してしまいます。これも健康面を考慮し「つい、買ってしまう」商品なのです。

関連本

Book.(漫画)「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」安彦良和 最後の長編「乾と巽 ザバイカル戦記②」  

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「乾と巽~ザバイカル戦記」
安彦良和著、講談社

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 「機動戦士ガンダム」の生みの親の一人であり、「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」が爆発的なヒットとなった漫画家でアニメーターの安彦良和先生の最後の長編が「乾と巽(いぬい と たつみ)~ザバイカル戦記~」(講談社)です。このほど第2巻が発売されました。
 安彦先生の日本近代史シリーズ4部作の4作目にあたる同作品では、日本のシベリア出兵をテーマに、帝国陸軍第七師団の砲兵・乾(いぬい)軍曹と、浦潮日報の記者・巽(たつみ)を中心に、一兵卒と一記者の目から、ロシアの戦場を駆け抜けた男たちの生き様を描いています。

 

日本近代史シリーズには、明治時代中期から末期の日本や朝鮮、清を舞台に日清戦争辛亥革命期に生きた人々を描いた「王道の拘」(同)、明治時代後期の日本やアジアを舞台に日露戦争に翻弄された青年を描いた「天の血脈」(講談社)、昭和初期の満州国を舞台に日豪ハーフを主人公に「トロツキー計画」をテーマにした「虹色のトロツキー」(潮出版)があります

「乾と巽~ザバイカル戦記~」は「虹色のトロツキー」の中の登場人物たちの、父親世代にあたる年代の男たちの物語となっています。
 「乾と巽(いぬい と たつみ)~ザバイカル戦記~」の「第1巻」では1918年(大正7年)の日本軍のシベリア派遣部隊がウラジオストックに入った「シベリア出兵」の第一日からスタート。日本軍はアメリカ・イギリス・フランス軍とともに北上し、オーストリア軍と戦闘。この時、偶然に乾軍曹は、巽 浦潮日報記者を助けます。「シベリア出兵」史上最大で唯一とされる正面決戦「クラエフスキーの会戦」で日本軍が圧勝する様子などが描かています。

 

ロシア革命にどう向かったのか

当時、七師団に属していた乾軍曹は、満州里に着任しますが、特別守備隊の顧問らに囲まれます。しかし、乾軍曹は大勢の敵を相手にも怯まずに敵を全員とも倒してしまいます。「第2巻」では乾の幼い頃のエピソードも描かれます。
 北海道北見国の紋別郡の村に生まれた乾は、酒好きの父親に夜中に酒を買ってこいと怒鳴られ、雪深い山道を遠い酒屋まで出かけます。そこで出会った人物に柔術を習うように勧められるのです。
 
 そんな思い出に長く浸る間もなく、乾はウラジオストクへの行程の戦闘では、夜中に列車から飛び降り戦闘を続け、相手をピストルで撃ち、仲間は殺した敵の耳をそぎ、目玉をくりぬくのです。
 一方、巽 浦潮日報記者は提督を取材するために、ゾロ・トーイ劇場に出かけます。そこで偶然にも劇場に現れた乾軍曹と再会するのです。日本近代史シリーズの最終作では20世紀最大の事件ともいわれる「ロシア革命」に日本人がどう向き合ったのかが描かれますが、その序章がスタートしました。
 

国際政治の大事件背景に描く

Comment(ブログ筆者)

機動戦士ガンダム」シリーズ新作は2020年7月26日から映画「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」(原作・富野由悠季矢立肇村瀬修功監督)が公開。今年もアニメのガンダムシリーズローカル局のどこかで再放送され、「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」に至ってはNHKが春から放送をスタートするなど、絶大な人気を得ています。
 
 40周年記念プロジェクトも10月22日からは始まりファンを魅了し続けています。日本はまさにウルトラマン同様に、不滅の金字塔を打ち立てたと言っても過言ではありません。世界に誇れるアニメや漫画が日本には存在し、原作者が存在することはまさに貴重な宝と言えるでしょう。
 
 その作者がどんな人物なのかは、作品を時系列に読み進めていくだけでも、その思考の奥深さに圧倒されてしまいます。
 日本近代史シリーズなど数多くの作品が証明していますが、ガンダム生みの親の一人である安彦先生の創作力は、ことガンダム以外にも十分に発揮され続けているのです。「機動戦士ガンダム」は宇宙を舞台に、地球から移民してきた人々の中の戦争を描いていますが、「機動戦士ガンダム THE ORIJIN」においても、戦争をテーマに、その中での家族愛や友情についても描かれています。
 
 日本を代表するアニメには数多くの名作がありますが、「ウルトラマン」「エバンゲリオン」「機動戦士ガンダム」「宇宙戦艦ヤマト」の根底には原作者の実際の戦争体験など、戦争が作者自身に影響している作品があります。では、新作「乾と巽~ザバイカル戦記~(2)」はどんな作品になるのでしょうか。
 
 「安彦良和戦争と平和」(杉田俊介著 中央公論新社)の中で、安彦先生は以下に述べています(ブログ筆者が抜粋し作成しています)。
 「ほとんどの人はシベリア出兵は失敗だった、名分のない軍事行動だったと振り返っています(中略)。日本はシベリア出兵では最後まで現地に残って醜態をさらして、世界の笑いものになった、といわれるけど、残らざるを得なかったわけですよ。(中略)
 日本はあれほどの国際政治の第一線に立たされた事件は、後にも先にもなかったのです。そういう事件の渦中に、無名の一兵士が飛び込んでいく。それが『乾と巽』の物語になるんですね」

関連本

Book.「人とマシン、リアルとネットが融合し、やりたいことを実現する『サイーボーグ時代』」

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「サイボーグ時代」
(吉藤オリィ著 きずな出版)

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 「サイボーグ時代~リアルとネットが融合する世界でやりたいことを実現する人生の戦略~」(吉藤オリィ著、きずな出版)は、「OriHime(オリヒメ)」という片手で持てる遠隔操作型ロボットを開発した吉藤オリィ(健太朗)さんが、「OriHime」についてと、人生を生きていく上で何が重要になるか「人生戦略」を書いています。
 株式会社オリィ研究所代表の吉藤さんが開発したOriHimeは、スマートフォンやパソコンで操作できます。例えば、病院や自宅から出られない人がこのロボットを操作することで、マイクやスピーカーで、ほかの人と会話することもできたり、通学や出社が可能になるのです。
 
 吉藤さんの親友、故・番田雄太さんは4歳の時に交通事故で脊髄を損傷し、その後は20年間、岩手県盛岡市内の病院で寝たきりの生活を送っていました。しかし、吉藤さんの活動を知った番田さんが吉藤さんにメールを送ったことがきっかけで二人は出会いました。
 吉藤さんは番田さんに自分の会社に入社することをすすめ、番田さんは広報担当として仕事を始めたのです。吉藤さんのスケジュール管理からメディア対応までスケジュール管理をこなし、一緒に全国を講演しました。入社して3年後に番田さんは他界しましたが、3年間、とても濃密で自分の希望することができたのです。

 
 

また、榊(さかき)浩行さんは全身の筋肉の自由がきかなくなるALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病を患い、眼球以外はほとんど動かせません。しかし、藤吉さんが作った「OriHime eye」というツールを使ってパソコンで絵を描いています。それまではテレビを見て毎日を過ごしていましたが、SNSで自分の描いた絵を発表するようになりました。
 現在、藤吉さんは大型の「OriHime-D」を開発、寝たきりの人と散歩に出かけたり、コーヒーを運んだりするロボットを開発し活動しています。大型の「OriHime-D」は、寝たきりの人が自分で介護できるようにするのが目標だといいます。

人間の孤独を解消する

吉藤オリィさんの「オリィ」もロボットの「OriHime(オリヒメ、以下OriHime)」も、藤吉さんの趣味である折紙作りから由来しています。今も人に会った時などはポケットにしまい込んである紙で折り紙のバラを作り渡したりしているそうです。

吉藤さんは幼い頃について引きこもりになり、当時、強烈な孤独感を感じました。その孤独感の解消をヒントに開発されたのがOriHimeです。
「人間の孤独を解消することをミッション」としている藤吉さんは、このロボットを開発し、株式会社オリィ研究所を設立、現在は12人の社員とともに、代表として会社を運営しています。2016年には功績が認められ米国の経済誌「Forbes」の「アジアを代表する青年30名」にも選ばれました。

なぜ、このようなロボットを開発し続けるのか。吉藤さんは以下に述べています。「人は高齢化や病気、ケガなどで、いままで『できた』ことができなくなっていくとき、絶望に近い悲しみや将来への不安を覚える。しかし、『できない』と思っていたことが『できる』に変わった瞬間、将来に対して希望を持てることができる」

誰もが発明家になりうる

Comment(ブログ筆者)

スマホやケータイを見ている人は多いですが、どこでもスマホに釘付けになっているのは、楽しみだけでなく問題や疑問に瞬時に応えてくれるからです。例えばスマホですぐに自分の知りたい情報を検索できるようになったのはAI(人工知能、以下AI)の功績によります。自動車もAIにより自動運転化されるなど、私たちの生活環境は大きく変化しつつあります。

AIではAIロボットをテーマにした映画も多く「A.I.」「アンドリューNDR114」「エクスマキナ」などが公開されてきました。これらの映画では、ますます人間に近くなってきたロボットと人間がいかに、よりよい関係を維持できるかがテーマになっています。

現在もロボットの開発は、より進化し続けています。最近になって身近な生活ではソニーの「aibo」が売れたり、東日本大震災で大きな被害を出した福島原発の処理作業でも産業用ロボットが注目されるなど、一般の人の目に触れる機会も増えています。

吉藤さんは自分の生き方について以下に述べています。

自分の能力や意識を時代に合わせアップデートさせながら、得意なことに専念しやりたいことを実現する。他者の経験や知識を取り入れて自分の能力の一部と化し、できることを増やし「サイボーグ的」に生きることが重要だと思います。

いまは情報があふれ、専門家も見つかりやすいこともメリットで、モノづくりに困った時は、SNSを通じて造形に詳しい人を探してアドバイスを受けることもできることから、自分に必要なものを自分で開発していける、誰もが発明家になりうる時代だと述べています。(今回に紹介する書籍は新刊ではありません。ご了承ください)

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